5年ほど前、ここパパは京都市内で家を探していました。
当時は賃貸住宅に住んでいて、できればその近くに家を買いたいと思っていたんです。
ところが、これがなかなか見つからない。
そもそも売り物件が少ない。たまに土地が出てきても、なかなかのお値段です。
京都市の土地って、なんでこんなに高いん?
京都市は昔から建物の高さ制限が厳しく、高層マンションを建てられる場所も限られていました。
だから住める住宅が増えにくく、需要に供給が追いついていないから不動産価格が高いんじゃないか。
それに京都は、歴史ある都市で世界的にも有名な観光地です。外国人からの人気も高いし、海外からの不動産購入なんかも価格を押し上げているんじゃないか?
と、当時はいろいろ考えていました。もちろん、実際に何がどれだけ土地価格に影響しているのかは分かりません。
ただ、家を探している側からすると、とにかく土地が高くて、希望する場所に物件が出てこないことが問題でした。
空き家に税金?それなら土地が安くなるんちゃう?
そんなとき、京都市が空き家に新しい税金をかけることを検討している、というニュースを見た記憶があります。
そこで、ここパパは思いました。
「空き家の税金が高くなったら、みんな売りに出すんちゃう?」
だって、誰も住んでいない家を持っているだけで税金が余計にかかるなら、売却を考える人も増えるんじゃないでしょうか。
そうなれば売り物件が増える。売り物件が増えれば、土地の価格も下がるかもしれない。
今まで売り物件がほとんど出てこなかった地域にも、土地が出てくるかもしれない。
これは期待できるんじゃない? と、ちょっとワクワクしていました(笑)。

でも、いつ土地が安くなるのかも分かりません。その間、ずっと賃貸住宅に住み続けるわけにもいかず、結局ここパパは家を購入しました。
あれから約5年。そういえば、あの空き家税はどうなったんやろ?
京都市の空き家は減ったのか? 売り物件は増えたのか? 土地は安くなったのか?
気になったので、実際の数字を調べてみました。
そもそも京都市の空き家税って何?
京都市が導入を予定しているのは、正式には「非居住住宅利活用促進税」という税金です。
難しい名前ですね(笑)。
簡単に言うと、空き家や別荘、セカンドハウスなど、普段住んでいる人がいない住宅に追加で税金をかけ、住宅の活用を促す制度です。
京都市としては、使われていない住宅を有効活用することで、京都市に住みたい人が住めるようにしたい。防災や防犯、地域コミュニティの維持にもつなげたい、という考えです。
これを見て、当時ここパパが期待していたことと、かなり近いなと思いました。
空き家税、まだ始まっていなかった!
なんと、2026年10月現在、この税金はまだ始まっていません。
京都市が案内している課税開始予定は2030年度です。
まだ始まってなかったんかい!(笑)
あのときニュースを見て、土地が安くなるかもと期待していたのに。
ちなみに、空き家なら何でも必ず課税されるというわけではありません。住宅の評価額などによる免税基準があり、条件によって課税が免除される場合もあります。
詳しい対象や免除の条件は、京都市の公式ホームページで確認できます。
とはいえ、まだ課税されていなくても、将来の税金を気にして早めに売却を考える人がいるかもしれません。
では、実際に空き家は減っているのでしょうか。
京都市の空き家は減ったのか?
京都市の住宅・土地統計調査を調べてみました。
| 調査年 | 空き家数 | 空き家率 |
|---|---|---|
| 2013年 | 114,290戸 | 14.0% |
| 2018年 | 106,000戸 | 12.9% |
| 2023年 | 105,300戸 | 12.5% |
おお、減ってるやん!
2013年から2023年までの10年間では、空き家が約9,000戸減っています。
ただ、直近の2018年から2023年の5年間で見ると、減少したのは700戸。約10万6,000戸のうち700戸なので、割合にすると約0.7%です。
空き家は減っていた。でも、ここ5年間で劇的に減ったわけではありませんでした。
なお、この調査は5年ごとに行われるもので、ここで比較している最新の数字は2023年時点です。2026年現在の空き家数ではありません。
もっと気になるのは「売却用の空き家」
ここパパが当時期待していたのは、単に空き家が減ることではありません。空き家が売りに出されて、家を探している人の選択肢が増えることです。
そこで、売却用の空き家についても調べてみました。
| 調査年 | 売却用の空き家 |
|---|---|
| 2018年 | 4,200戸 |
| 2023年 | 3,500戸 |
なんと、700戸減っていました。約16.7%の減少です。
あれ?増えてないやん!

ただし、ここは注意が必要です。
この数字は、調査時点で「売却用として空いていた住宅」の数です。5年間に新しく売りに出された物件の総数ではありません。
例えば、売りに出した住宅がすぐ売れた場合、調査時点では売却用の空き家として残っていない可能性もあります。
だから、この数字だけで「売り物件が減った」と断定することはできません。
でも、少なくとも、売却用の空き家が大量に積み上がっていたわけではなさそうです。
では、京都市の土地は安くなったのか?
ここが一番知りたかったところです。
5年前のここパパは、空き家が売りに出されれば土地が安くなるかもしれないと思っていました。
では、実際に2021年から2026年にかけて、土地の価格はどうなったのでしょうか。
国土交通省の地価公示をもとにした住宅地のデータを確認してみました。
例えば、京都市中京区の住宅地の公示地価の中央値は、次のように変化しています。
| 年 | 住宅地の公示地価の中央値 |
|---|---|
| 2021年 | 300,000円/㎡ |
| 2026年 | 378,000円/㎡ |
5年間で約26%の上昇です。
仮に100㎡の土地なら、中央値を使った単純計算では3,000万円から3,780万円。その差は780万円です。
もちろん、これは区内の公示地価の中央値を100㎡に当てはめただけの計算です。実際の売買価格ではありませんし、調査地点の構成が変わることもあるため、同じ土地が26%値上がりしたという意味でもありません。
それでも、京都市中心部の住宅地がこの5年間で高くなっていることは分かります。
安くなるどころか、上がってるやん!(笑)
あのとき土地が安くなるのを待っていたら、どうなっていたんでしょうね。
もっと良い物件が見つかった可能性もありますが、少なくとも土地の価格が下がることを期待して待つのは、簡単ではなかったようです。

中古住宅の売買は増えたのか?
もう一つ気になったのが、実際の不動産取引です。空き家が売りに出されていれば、中古住宅の売買も増えているかもしれません。
そこで、近畿レインズの中古戸建住宅の成約件数も調べてみました。
前回の集計では、京都市内の成約件数は2021年度の1,232件から2025年度には1,631件に増えていました。399件増加、約32%増です。
おお!中古住宅の売買は増えてるやん!
と思いましたが、ここで一つ気になることがあります。
2021年って、コロナ禍やったよね?
そうなんです。2021年度は、まだ新型コロナウイルスの影響が大きかった時期です。
不動産の内覧や引っ越し、住宅購入の判断にも影響があったかもしれません。
一方で、在宅勤務が増えたことで、住宅を購入したい人が増えた可能性もあります。
つまり、コロナ禍が不動産取引に与えた影響は単純ではありません。
だから、2021年度と2025年度の数字だけを比較して、住宅市場が大きく活性化したと判断するのは難しいんです。
さらに、成約件数は実際に売買が成立した件数であって、新しく売りに出された件数とは違います。
今回の調査では、京都市内の新規売り出し件数が5年間でどれだけ増えたのか、同じ条件で比較できる数字までは確認できませんでした。
中古住宅の取引は増えていた。でも、空き家税がきっかけで売り物件が増えたのかは分からない。
これが、今回調べて分かったことです。
そもそも、空き家が減れば土地は安くなるのか?
ここまで調べて、最初の考えをもう一度振り返ってみました。
当時のここパパの予想は、こうです。
空き家に税金がかかる → 持ち主が売却を考える → 売り物件が増える → 土地が安くなる
今でも、考え方としてはそこまでおかしくないと思っています。ただ、実際にはそんなに単純ではありませんでした。
まず、空き家が減っても、必ず売却されたとは限りません。賃貸住宅として使われたり、所有者が住み始めたり、建物が解体されたりすることもあります。
また、売り物件が増えても、その地域に住みたい人が多ければ、土地の価格は下がらないかもしれません。
建築費の上昇や金利、交通の利便性など、土地の価格にはいろいろな要因が関係します。
そして、今回の京都市の空き家税は、そもそもまだ始まっていません。
だから、土地が安くならなかったことを理由に「空き家税は失敗だった」と言うこともできません。
本当に効果があったのかどうかは、制度が始まってからの変化も見ていく必要がありそうです。
5年前のここパパの予想は当たったのか?
今回の調査結果をまとめると、こうなりました。
| 調べたこと | 結果 |
|---|---|
| 空き家税は始まった? | まだ。2030年度開始予定 |
| 京都市の空き家は減った? | 2018〜2023年で700戸減少 |
| 売却用の空き家は増えた? | 調査時点の戸数は700戸減少 |
| 土地は安くなった? | 中京区の住宅地中央値は上昇 |
| 中古住宅の取引は増えた? | 2021年度と2025年度の比較では増加。ただしコロナ禍の影響に注意 |
| 空き家税の効果は確認できた? | 課税開始前なので判断できない |
5年前、ここパパは空き家税のニュースを見て、売り物件が増えれば土地も安くなるんじゃないかと期待していました。
でも、実際に調べてみると、空き家は少し減ったものの、土地の価格は上がっていました。
そして何より驚いたのが、
空き家税、まだ始まってなかったんかい!(笑)
ということです。
ただ、今回の調査で感じたのは、空き家税には土地価格を下げること以外にも意味があるのかもしれない、ということです。
例えば、これまで使われていなかった住宅が活用されて、京都市に住みたい人の選択肢が増えること。
家を探していた当時のここパパにとっても、土地が安くなることと同じくらい、希望する地域に物件が出てくることは大事でした。
だから、今後この税金が始まったときに、京都市の住宅事情がどう変わるのかは気になります。
それにしても、あのとき安くなるのを待たずに家を買ったのは、結果的によかったのかもしれません。
もちろん、将来の土地価格なんて誰にも分かりませんけどね(笑)。
今回は家を買う側の視点から空き家問題を調べました。
でも、空き家を持っている側からすると、管理や相続、売却など、また違った悩みがあると思います。
次回は、「空き家を売りたいとき、何から始めればいいのか?」について調べてみたいと思います。
参考資料
※制度は2026年10月時点の情報です。住宅・土地統計調査は標本調査による推計値です。地価公示は実際の売買価格とは異なります。中古戸建成約件数は公開前に元資料との再照合をおすすめします。
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