急騰株を翌日買うと儲かる?約2万件を検証した結果、勝率36%

お金・投資

前回、僕は600万円近くを1銘柄に突っ込んで、約492万円を失った話を書きました。

銘柄はプロスペクト。

152円で4万株買って、27円で売却。

約600万円が、約108万円になりました。

今振り返っても、

「何してんねん、俺(笑)」

と思います。

ただ、ずっと心のどこかに一つ疑問がありました。

俺、たまたまプロスペクトでコケただけなんちゃう?

急騰株の中には、その後さらに上がって2倍、3倍になる銘柄もあります。

僕がたまたま大ハズレを引いただけなら、銘柄選びはともかく、

「急騰した株を見つけて買う」

という考え方そのものは、そこまで間違っていなかったのかもしれない。

……ほんまか?

だったら調べてみよう。

というのが今回の記事です。

先に言っておくと、この記事は「こうすれば株で儲かります」という記事ではありません。

むしろ逆です。

492万円を失ってから何年もたった僕が、昔の自分の買い方を約2万件のデータで再現して、答え合わせをしてみる。

そんな記事です。

昔の僕は「値上がり率ランキング」が大好きだった

当時の僕は、休憩時間になるとよく値上がり率ランキングを見ていました。

前日比+15%、+20%。

そんな株がズラッと並んでいる。

気になる銘柄を見つけたら、次は掲示板です。

  • 「まだ初動」
  • 「明日も上がる」
  • 「ここから本番」
  • 「まだまだ安い」

こんなのを見ていると、だんだんその気になってくるんですよ(笑)

「これ、まだ上がるんちゃう?」

プロスペクトを買ったときも、だいたいこの流れでした。

急騰株を見つけて掲示板やSNSを見て翌朝買っていた当時の投資行動

画像にすると、我ながら分かりやすい(笑)

そこで今回は、この「昔の僕」をデータの中に再現してみました。

昔の僕の買い方を、そのままルールにしてみた

ルールはかなりシンプルです。

ルール内容
① 急騰株を発見前日比+15%以上上昇した銘柄
② 翌朝に買う翌営業日の始値で購入
③ そのまま保有60営業日(約3か月)保有

+15%にしたのは、僕がプロスペクトを見つけたときの上昇率が+18%くらいだったからです。

ちなみに実際の僕は60営業日で売るどころか、

ずーーーーっと持っていました(笑)

今回使えたデータは2017年以降なので、僕がプロスペクトを買った当時そのものを再現したわけではありません。

それでも、同じように「大きく上がった株を見つけて、翌朝買う」を大量に繰り返したらどうなるのか。

これなら確認できます。

結果。……あかんやん(笑)

まず2017年1月〜2022年2月まで。

条件に当てはまった+15%以上の急騰は12,270件ありました。

12,270件。

これだけあれば、さすがに

「プロスペクトだけが特殊だったんや!」

では終われません。

60営業日後の結果がこちら。

項目結果
急騰イベント数12,270件
60営業日後の勝率35.98%
60営業日後の中央値−9.64%
急騰株を翌朝買った場合の勝率約36%と中央値約マイナス10%を示した検証結果

勝率35.98%。

ざっくり言えば、3回買ったら2回くらい負ける。

しかも中央値は−9.64%。

つまり、成績順にズラッと並べたときの真ん中あたりの取引でも、約10%のマイナスです。

昔の僕は、

こんな勝負に600万円近く入れていました。

そりゃ、事故るとデカいわ(笑)

でも「平均」だけ見ると、ちょっと騙される

今回調べていて、かなり面白かったのがここです。

急騰株には、とんでもない大当たりが混じります。

だから平均リターンだけを見ると、実態より良く見えることがある。

たとえば5銘柄を買って、結果がこうだったとします。

銘柄結果
A−20%
B−10%
C−5%
D+5%
E+200%

5銘柄のうち3銘柄は負け。

ところが全部足して平均すると、

平均+34%。

めっちゃ儲かってるやん!

……と見えます。

でも成績順に並べた真ん中、つまり中央値は−5%です。

犯人はもちろん、+200%のホームラン。

一つの大当たりが、全体の平均を思いっきり引き上げています。

そしてこれ、今回の実際のデータでも似たことが起きていました。

最近の+15%以上急騰株60営業日後の平均
すべて含む−1.62%
成績上位1%を除外−5.06%

上位1%の大当たりを除いただけで、平均が−1.62% → −5.06%まで悪化しました。

ホームランが、みんなの成績を隠してくれていた。

昔の僕には、そのホームランしか見えていなかったんでしょうね(笑)

掲示板でも目につくのは、

「あの株、あそこから3倍になった!」

みたいな話です。

その裏にある大量の「普通に下がって終わった株」は、あまり記憶に残りません。

いや、相場全体が下がってただけじゃない?

ここで、もう一つ疑問が出ました。

もし日本株全体が下がっていた時期なら、急騰株がその後下がっていても、

「急騰株を買ったから負けた」

とは言えません。

単に、日本株みんな下がってただけかもしれない。

そこで、急騰株を買ったのと同じタイミングでTOPIX連動ETFや日経225連動ETFを買い、同じ60営業日後に売ったらどうなっていたかを比べてみました。

2017年〜2022年では?

同じタイミングで買って60営業日保有平均成績
+15%以上急騰した株を翌朝買う−0.77%
TOPIX連動ETF+2.05%
日経225連動ETF+3.17%

急騰株は−0.77%。

同じタイミングで買ったTOPIXと日経225は、どちらもプラスでした。

そして、最近のデータでも見てみます。

2023年〜2026年では?

同じタイミングで買って60営業日保有平均成績
+15%以上急騰した株を翌朝買う−1.62%
TOPIX連動ETF+5.85%
日経225連動ETF+7.59%
急騰株とTOPIXと日経225の60営業日後の平均リターン比較

こっちは、さらに分かりやすい。

急騰株 −1.62%

TOPIX +5.85%

日経225 +7.59%

同じ時期の日本株全体がボロボロだったわけではありません。

むしろ指数側はプラスなのに、僕が昔やっていた「+15%以上急騰した株を見つけて翌朝買う」は平均マイナスでした。

これを見ると、少なくとも

「たまたま相場が悪かっただけやろ」

では片づけにくそうです。

もちろん、TOPIXや日経225に連動するETFを買う投資と、急騰株を狙う売買では目的が違います。

なので、これだけで「指数を買う方が優秀」という話をしたいわけではありません。

僕が知りたかったのは、もっと単純なこと。

「急騰株が下がったのは、日本株全体が下がったせいなのか?」

今回のデータを見る限り、それだけでは説明できませんでした。

そして翌朝には、もう高い(笑)

今回の結果で、個人的に一番

「うわ、これ昔の俺や……」

と思ったのがこれです。

+15%以上上がった株は、翌朝さらに高く始まることが多い。

昔の期間では、翌営業日の始値が平均でさらに+3.85%でした。

考えてみれば、僕の行動はこうです。

タイミング昔の僕
株価が+15%以上急騰「なんやこれ!」
掲示板を見る「まだ初動らしいぞ」
翌朝さらに上がる「やっぱり強いやん!」
買うテンションMAX(笑)

普通なら、前日に+15%上がって、翌朝さらに高ければ、

「だいぶ高くなったな……」

と警戒するところです。

でも当時の僕は逆。

「上がってる=強い=もっと上がる」

でした。

つまり、自分のテンションが一番高くなったところで、高くなった株を買いにいっていた。

データで昔の自分の行動を見せられると、なかなか恥ずかしい(笑)

でも今はAI時代。昔とは違うんちゃう?

ここからが今回、僕がかなり気になっていたところです。

今は2026年。

SNSで情報は一瞬で広がるし、IRが出ればすぐ話題になる。

生成AIに決算資料を読ませれば、昔なら時間をかけて読んでいた資料も、あっという間に整理できます。

僕はこう思っていました。

「情報が広がるスピードが速くなった分、急騰株に翌朝飛びつく人は、昔よりもっと不利になってるんちゃう?」

けっこう本気でそう予想していました。

そこで、直近の2023年10月〜2026年9月についても同じように調べました。

+15%以上の急騰は8,687件。

昔の12,270件と合わせると、20,957件。約2万件です。

※2022年2月末〜2023年10月については、今回と同じ条件でそろったデータがないため比較対象から外しています。

昔と今を比べたら……ほぼ一緒やん(笑)

結果を並べます。

2017年1月〜2022年2月2023年10月〜2026年9月
急騰イベント数12,270件8,687件
60営業日後の勝率35.98%35.96%
60営業日後の中央値−9.64%−9.73%
60営業日後の平均−0.77%−1.62%

……。

ほぼ一緒やん(笑)

勝率なんて、

35.98% → 35.96%。

差はわずか0.02ポイントです。

中央値も、

−9.64% → −9.73%。

僕の

「AI時代になって情報が速くなったから、急騰株への飛びつきはもっと不利になっているはず」

という予想は、少なくとも今回の結果からは確認できませんでした。

予想、外れました。

でも僕、こういう結果はけっこう好きです。

自分の予想に合わせて数字を探すんじゃなくて、調べてみたら思っていたのと違った。

それも含めて面白い。

約2万件調べて、昔の僕に言いたくなったこと

今回の結果を見て、

「急騰株は絶対に買うな」

とまで言うつもりはありません。

実際、その後とんでもなく上昇する銘柄もあります。

だからこそ面白いし、僕も昔はそこに夢を見ました。

ただ、約2万件を調べてみると、僕が昔やっていた

「大きく上がった株を見つける → 盛り上がっているのを見る → 翌朝さらに上がったところで買う」

という方法は、少なくとも簡単に勝てるものではありませんでした。

60営業日後にプラスだったのは約36%。

中央値は約−10%。

しかも翌朝には、すでにさらに高くなっていることも多い。

そして一部には、とんでもないホームランがある。

たぶん昔の僕は、

そのホームランばっかり見てたんでしょうね。

492万円失った原因は「プロスペクト」だけじゃなかった

今回調べて、一番自分の中で腑に落ちたのはここでした。

僕は長いこと、

「プロスペクトを買って失敗した」

と思っていました。

もちろん、それ自体は間違っていません。

でも本当の問題は、もっと手前にあったのかもしれません。

急騰している。

みんなが盛り上がっている。

翌朝も上がった。

そこで、

「これはいける!」

と思って大金を入れる。

しかも僕の場合、ほぼ1銘柄に600万円。

今の僕が昔の自分の横にいたら、たぶん言います。

「ちょっと待て。せめて600万円全部入れる前に、一回調べよか(笑)」

当時はそんなこと、考えもしませんでした。

そして何年もたって、本当に調べてみた結果が、

勝率約36%。

いやぁ……。

600万円入れる前に知りたかったわ(笑)


※この記事は、過去の株価データを一定の条件で検証した結果と、筆者自身の投資経験をまとめたものです。特定の銘柄や投資手法を推奨するものではありません。過去の結果は将来の運用成果を保証するものではなく、実際の売買では手数料、税金、流動性、ストップ高・ストップ安、売買可能数量などの影響もあります。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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