前回、CHF/TRY(スイスフラン/トルコリラ)の代わりになる両建てスワップを探して、国内FXを調べました。
調べてみると、9月25日時点でスワップ差がプラスになる組み合わせは109通り。
「めちゃくちゃあるやん(笑)」
と思ったのですが、その中身を見ると話が変わりました。
CHF/TRY以外で大きかったのは、
- GBP/CHF:+74.5円
- USD/CHF:+68.5円
- EUR/CHF:+59.2円
など。
一方、僕が「もう撤退かな」と考えていたCHF/TRYは、9月25日でも+205.1円ありました。
……あれ?
CHF/TRY、まだかなり大きいやん(笑)
そこで、前回の記事を書きながら新しい疑問が出てきました。
「そもそも300円で撤退って、厳しすぎたんじゃない?」
僕が決めていた「1付与日あたり300円未満になったら撤退」というルール。
これを200円、100円、0円に変えていたらどうなっていたのか。
さらに、1回300円を割っただけで逃げるのではなく、3回連続で割るまで待ったらどうなっていたのか。
気になったので、実際のスワップデータを使ってバックテストしてみました。
先に結論
今回確認できた2026年8月26日〜9月25日では、300円未満で撤退するより9月25日まで継続した方が、純スワップは1,319.5円多い結果になりました。
ただし、100円未満には一度も到達していません。つまり、「100円ルールが正解だった」と確認できたわけではありません。
※検証できたのは22付与回・33付与日分です。また、ここで比較しているのは純スワップであり、実際の為替損益・スプレッド・スリッページなどを含む最終損益ではありません。
⚠️ 最初に大事なこと
この記事は特定のFX取引や通貨ペアを推奨するものではありません。過去データを使って「撤退ルールを変えていたらどうなったか」を検証したものです。
また、両社の公式データを同じ条件で再現できるのは2026年8月26日〜9月25日です。したがって、この記事の+15,186円や+16,505.5円といった数字は、4月からの運用利益でも、実際に取引して確定した利益でもありません。
- そもそも「300円ルール」って何?
- 今回バックテストできるのは8月26日〜9月25日
- まずは日ごとのスワップ差を見てみる
- 300円・200円・100円・0円で比較するとどうなった?
- 実は「1回割ったら撤退」も厳しすぎた?
- 9月23日の「+552.3円」に騙されかける(笑)
- 9月21日は祝日。そもそも決済できたの?
- 9月18日の+215.4円を実際に知れるのはいつ?
- じゃあ「100円ルールの方が正解」なのか?
- 50万円ずつ入れていたら大丈夫だった?
- 取引コストを入れるとどうなる?
- 今回のバックテストで分かったこと
- 結論:今回の期間では300円撤退は早かった。でも「100円なら正解」とも言えない
- 今回の検証について
- 注意事項
そもそも「300円ルール」って何?
僕が調べていたのは、CHF/TRYを別々のFX会社で両建てする方法です。
- 外為どっとコム:CHF/TRYを1万通貨売り
- みんなのFX:CHF/TRYを1万通貨買い
同じ通貨ペアを買いと売りで持つことで為替の値動きをある程度相殺しながら、2社のスワップ差を狙います。
調べ始めたときは、この差がかなり大きかった。
9月1日〜15日の平均は、1付与日あたり+591.5円。
ところが9月後半になると急速に縮み、9月18日には、
+215.4円。
僕は事前に、
「300円未満になったら撤退」
という仮ルールを決めていました。
なので9月18日の数字を見た時点では、
「はい、撤退(笑)」
となります。
ただ、300円という数字に「ここを下回ると赤字になる」という根拠があったわけではありません。
僕がリスク管理のために事前に置いた仮のラインです。
だったら、300円という数字自体も検証してみようというのが今回です。
今回バックテストできるのは8月26日〜9月25日
ここは先にハッキリさせておきます。
外為どっとコム側については、それ以前のスワップデータも確認できます。
ただ、みんなのFX側で同じ方法で公式データを確認できたのは8月26日以降でした。
そのため今回、両社を同じ条件で比較できる期間は、
8月26日〜9月25日の22付与回・33付与日分。
約1か月分の限られたデータです。
分からない期間を推測で埋めることはしません。
なのでこの記事でいう、
「300円ルールなら+15,186円」
という数字も、4月から15,186円儲かったという意味ではありません。
比較可能な8月26日以降の純スワップだけを積み上げた数字です。
まずは日ごとのスワップ差を見てみる
今回の検証で重要になるのが、スワップ差が実際にどう動いたのかです。

9月18日以降、一気に200円前後まで落ちています。
ただし、ここで重要なのが、
100円は一度も割っていない。
さらに、今回確認できた22付与回では、スワップ差がマイナスになった日はありませんでした。
最低だったのは9月22日の+181.9円です。
これを見たら、やっぱり思います。
「300円、ちょっと厳しすぎたんちゃう?(笑)」
ただし、これはあくまで9月25日までの結果を見た感想です。この先も100円を割らないことを意味するわけではありません。
300円・200円・100円・0円で比較するとどうなった?
では本題です。
1付与日あたりのスワップ差が、それぞれのラインを下回ったら撤退するものとして比較しました。
| 撤退ルール | 条件到達 | 最速共通取引枠 | 純スワップ |
|---|---|---|---|
| 300円未満 | 9/18 | 9/21 7:00以降 | +15,186.0円 |
| 200円未満 | 9/21 | 9/22 6:10以降 | +15,382.8円 |
| 100円未満 | 9/25まで未到達 | 継続 | +16,505.5円 |
| 0円以下 | 9/25まで未到達 | 継続 | +16,505.5円 |
結果はかなり分かりやすいです。
300円ルールなら+15,186.0円。
100円ルールでは9月25日まで撤退条件に達しなかったため、この時点までの純スワップは+16,505.5円。
差は、
+1,319.5円。
今回確認できた期間だけを見るなら、300円で撤退せずに9月25日まで持ち続けた方が、純スワップは1,319.5円多くなりました。
ただし、100円ルールは一度も発動していません。
つまりこれは、「100円で撤退した方がよかった」という比較結果ではなく、「100円未満にならなかったので9月25日まで継続した結果」です。
ここは結構大事です。
「やっぱり300円ルール、失敗やったんか!」
……と言いたくなります。
でも、まだ早いです(笑)
実は「1回割ったら撤退」も厳しすぎた?
もう一つ試してみました。
1回ラインを割っただけで撤退するのではなく、
「3付与回連続で下回ったら撤退」
というルールです。

これも面白い。
300円を1回割っただけで撤退すると+15,186.0円。
300円未満が3付与回連続するまで待つと+15,564.7円。
200円未満が3付与回連続するまで待つと+16,117.0円。
つまり今回の期間では、
「撤退ラインをいくらにするか」だけではなく、「1回割ったら即撤退するのか」でも結果が変わりました。
これは調べる前にはあまり考えていなかった部分です。
9月23日の「+552.3円」に騙されかける(笑)
日別データを見ていて、もう一つ注意が必要だったのが9月23日です。
この日のスワップ差は、表示上+552.3円。
「おっ、一気に回復した?」
と思いますよね。
でも違いました(笑)
この日は3日分のスワップが付いています。
なので、1付与日あたりに直すと、
552.3円 ÷ 3日 = 184.1円。
全然回復していません(笑)
今回の撤退判定では、こうした複数日分の付与はすべて1日あたりに直して比較しました。
ここをそのまま+552.3円として判定すると、結果が変わってしまいます。
9月21日は祝日。そもそも決済できたの?
バックテストを作っていて、もう一つ気になったことがあります。
300円ルールでは9月18日分で条件に到達。
その後の最初の共通取引枠は9月21日としていました。
でも、
「あれ?9月21日って敬老の日やん。しかもシルバーウィーク(笑)」
9月21日〜23日は祝日・休日が続きます。
「じゃあ9月24日まで決済できないんじゃない?」
と思って、ここも公式情報を調べ直しました。
結果は、
日本が祝日でも両社のFXは取引可能でした。
| 日付 | 外為どっとコム | みんなのFX |
|---|---|---|
| 9/21(月・敬老の日) | 7:00〜 | 7:00〜 |
| 9/22(火・休日) | 6:10〜 | 6:10〜 |
| 9/23(水・秋分の日) | 6:10〜 | 6:10〜 |
両社とも祝日でもFXは営業していました。
なので、9月24日まで待つ必要はありません。
ただし、ここでも「9月18日に+215.4円を見て、その日のうちに決済した」とするのはダメです。
9月18日の+215.4円を実際に知れるのはいつ?
ここはバックテストでかなり大事でした。
未来のスワップを先に知っていたことにしたら、何でもできてしまいます(笑)
公式ルールを確認すると、9月18日取引分について、
- みんなのFX:夏時間の取引終了9月19日5:50に付与
- 外為どっとコム:翌営業日のオープン9月21日7:00に付与
という扱いでした。
つまり、両口座への付与を見て、
「あ、300円を割った」
と判断できるのは、9月21日7:00以降です。
そして9月21日は祝日ですが、両社とも7:00からFX取引可能。
そのため今回のバックテストでは、
9月21日7:00以降に両社の付与を確認し、その後の最初の共通取引枠で決済する
という扱いにしました。
ここは「9月21日7:00ちょうどに実際に約定できた」という意味ではありません。
当時のCHF/TRYの最初のレート配信時刻や、実際の約定時刻までは確認できませんでした。「両社とも通常の取引枠に入るのが7:00」というところまでが確認できた事実です。
じゃあ「100円ルールの方が正解」なのか?
ここまでの数字だけを見ると、100円ルールの方がよく見えます。

300円で撤退:+15,186.0円
9月25日まで継続:+16,505.5円
その差は、+1,319.5円。
でも、僕はこれだけで、
「100円ルールが正解だった!」
とは言えないと思っています。
そもそも今回の期間では100円未満になっていないので、100円で撤退したケース自体が発生していません。
そして、理由はそれだけではありません。
みんなのFX側ではマイナススワップを払い続けている
この両建ては、2つの口座が同じように利益を積み上げているわけではありません。
外為どっとコムの売り側ではスワップを受け取り、みんなのFXの買い側ではスワップを支払います。
8月26日〜9月25日の確認期間全体では、
- 外為どっとコム売り:+54,126円
- みんなのFX買い:−37,620.5円
- 差し引き:+16,505.5円
です。
合計ではプラス。
でも、みんなのFX側だけを見ると3万7,000円以上のマイナススワップが積み上がっています。
ここが会社をまたいだ両建ての怖いところです。
反対側の口座で利益が出ていても、証拠金は合算されません。
片側だけ苦しくなる可能性があります。
300円撤退後も、買い側ではさらに約1万円払っていた
これが今回、個人的に一番考えさせられた数字です。
300円ルールで撤退するタイミング以降、9月25日まで持ち続けると、純スワップは+1,319.5円増えました。
でもその間、みんなのFXの買い側では、さらに−9,925.5円のスワップを支払っています。
もちろん外為どっとコム側の受け取りがそれ以上あるので、合計では+1,319.5円です。
でも、
「あと1,319円もらえるから持ち続けよう」
というだけではダメなんですよね。
片側の口座では、その間にもマイナススワップが積み上がっています。
ここは純スワップだけ見ていたら気づきにくいところでした。
50万円ずつ入れていたら大丈夫だった?
今回は参考として、両口座に50万円ずつ、合計100万円を入れた場合も試算しました。
ただし、ここは実際の取引履歴ではありません。
ECBの参照レートを使い、8月26日に建てたと仮定した参考モデルです。
このモデルでは、みんなのFX側の最低証拠金維持率は約570.5%。
数字だけ見るとかなり余裕があるように見えます。
ただし、これはECBの参照レートを使った試算です。
CHF/TRYの実際の日中高値・安値、Bid/Ask、瞬間的なスプレッド拡大までは再現できていません。
なので、
「50万円ずつ入れれば安全」
という意味ではありません。
ここはかなり大事です。
取引コストを入れるとどうなる?
ここも正確な答えは出せませんでした。
みんなのFXのCHF/TRYで確認できる9pipsは固定された実績値として扱えるものではなく、外為どっとコム側についても当時の実際のCHF/TRYスプレッドを再現できませんでした。
なので実際の往復取引コストは確定できません。
参考として、仮に両社とも9pips、TRY/JPYを3.20円として計算すると、1万通貨の往復コストは約5,760円になります。
この仮定なら、
- +300円/付与日 → 約19.2付与日
- +200円/付与日 → 約28.8付与日
- +100円/付与日 → 約57.6付与日
でコスト相当額に届く計算です。
100円でもプラスだから続ければいい、というほど単純ではありません。
日額が小さくなるほど、コストを取り戻すのに時間がかかります。
ただし、すでにポジションを持っている途中で「続けるか撤退するか」を考える場合、最初に払ったコストはすでに発生済みです。
新規で始めるときと、途中で継続を判断するときでは、考えるべきコストも少し違います。
今回のバックテストで分かったこと
最初は、
「300円じゃなくて100円にしておけばよかったのでは?」
という単純な疑問でした。
でも調べてみると、もう少し複雑でした。
- 300円を割った9月18日以降もスワップ差はプラスだった
- 9月25日まで100円を一度も割らなかった
- 300円撤退より継続した方が純スワップは+1,319.5円増えた
- ただし100円ルール自体は9月25日まで一度も発動していない
- その間に買い側では−9,925.5円のスワップを支払った
- 1回割ったら撤退するか、3付与回連続まで待つかでも結果が変わった
- 9月23日の+552.3円は3日分で、1日換算では+184.1円だった
- 9月21日〜23日は日本の祝日・休日だったが、両社ともFX取引は可能だった
そして僕が一番感じたのは、
「300円という数字そのものより、撤退ルールの作り方が雑だったかもしれない」
ということです。
300円を1回割ったら即撤退。
これは分かりやすい。
でも、今回の過去データでは3付与回連続にしただけでも結果が変わりました。
だからといって、
「じゃあ3回連続ルールが正解!」
でもありません。
今回のデータを見てからルールを作れば、過去に都合のいい条件はいくらでも作れてしまいます。
いわゆる後付けですね。
次に同じことをするなら、始める前に撤退条件を決めて、その条件を途中で都合よく変えない。
これは大事だと思いました。
結論:今回の期間では300円撤退は早かった。でも「100円なら正解」とも言えない
今回確認できた8月26日〜9月25日のデータだけで言えば、
300円を割った時点で撤退するより、そのまま9月25日まで持った方が純スワップは多くなりました。
差は+1,319.5円。
なので少なくとも今回確認できた約1か月の期間では、300円という撤退ラインはかなり慎重だったと言えそうです。
ただし、これは「100円まで持つのが正解だった」という意味ではありません。
今回、100円未満には一度も到達していないからです。
もし9月26日以降に、
200円 → 100円 → 0円 → マイナス
と崩れていったら、結論は変わります。
今回たまたま9月25日で検証を止めたから、継続したケースの数字がよく見えている可能性もあります。
だから今回の結論は、
「100円が正解」ではなく、「300円という1本の数字だけで撤退を決めるより、コスト・継続回数・片側口座の余力まで含めてルールを作った方がよさそう」
です。
最初は「スワップ差だけもらえたら面白いやん」くらいだったのに、調べることがどんどん増えてきました(笑)
でも、こうやって一つずつ数字で確認していくのは面白いですね。
今回の検証について
今回のスワップデータ、付与ルール、取引時間については、外為どっとコムとみんなのFXの公式情報をもとに確認しています。
特に撤退日の検証では、「日本の祝日だから取引できない」と決めつけず、2026年9月21日〜23日の営業状況まで確認しました。
一方で、当時の各口座に実際に表示された金額・表示時刻、CHF/TRYの最初のレート配信時刻、実際の約定価格と約定時刻までは確認できていません。
また、みんなのFXではCHF/TRYのカレンダー掲載額が概算で、実際の円換算付与額と異なる場合があるため、この記事では公式カレンダー等で確認できた掲載値を使って比較しています。
注意事項
本記事は過去の公開データを用いた検証であり、特定のFX会社、通貨ペア、取引手法を推奨するものではありません。
両社の同日データを再現できた期間は2026年8月26日〜9月25日の22付与回・33付与日分です。4月27日〜8月25日のみんなのFX側の同条件データを公式情報から再現できないため、それ以前を推測で補完していません。
記事中の純スワップはスプレッド、実際の約定価格、為替損益、スリッページなどを含む確定利益ではありません。実際の往復取引コストも確定できていません。
証拠金維持率の試算はECB参照レート等を使った参考モデルであり、実際の日中の最大含み損や最低証拠金維持率を再現したものではありません。
会社をまたいだ両建てでは、それぞれの口座が別々に証拠金管理されます。合計損益が相殺されていても片側だけロスカットされる可能性があります。実際に取引する場合は各社の最新の取引条件・スワップ・スプレッド・ロスカットルールをご自身で確認してください。
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